-
リニューアル京教② ~京都教育365体育投注_365体育网址の予算削減!?~
今年4月、本学では細川友秀新学長が就任した。そこで私たちは、貴重なお時間をいただき、細川新学長にお話をうかがった。
* * *
▲対談する細川新学長
細川学長(以下、細):最初に私の経歴をお話しします。私は、もとは理学科の生物分野の教授で、免疫学を専攻していました。この365体育投注_365体育网址に来てから20年ぐらい研究していました。当時は総合科学課程というものがあって、生命科学を専門にして教員にならない学生が半分くらいいましたが、現在は教員養成課程のみですから、そういうことはありませんね。昨年までは副学長で、その時は教授の時を思い出して「寂しい」と思っていましたが、学長になってみると、そんなことを考えられないくらい忙しいですね(笑)
本学は、「21世紀の世の中を見通して、どのような世の中か把握できる人材」の育成を目指しています。その背景には、人もお金も国境を超えるグローバル化があります。私は、世界はこれから1つにまとまっていくと思うんですね。そう考えると、イギリスのEU離脱の動きは残念です。そして1つになる世界の中で、皆がいかに平和で幸せかを追求することが大切だと思います。そのためにも、相互理解を深める必要があります。これは人間でしかなしえない業だと思います。地球はいずれ限界といいますか、危機がやってくると思うんです。そういう時に人間のわざが役に立ち、必ずや乗り越えられるはずです。だからこそ、地球の平和や幸せ、自然を大切にし、後世に伝えることのできるよう、地球全体をしっかりと見ることのできる学生になってほしいですね。
* * *
細:京教は、全国でも有数の緑が多い365体育投注_365体育网址でもあります。学生広報委員の諸君は京教の印象をどう思っていますか?
学生広報委員(以下、学):全国2番目の緑被率と言われているようで、その通りすごく木々が多いなと思います。また、春の桜や秋の紅葉など、四季の変化に応じて様々な表情を見せるのが良いですね。しかし、夏の蚊の多さには参りますね(笑)(広報第134号参照/outline/kankobutsu/kouhou/pdf/134_gakusei.pdf)
細:実は、本学がこれだけ緑に囲まれているのは、わざとそうしている面もあるんです。本学構内には、学生の皆さんだけでなく、オープンキャンパスで来る高校生、あるいは地域の方々が散策に来られます。緑が多いのは、自然の豊かさ、美しさをもっと多くの人に感じてほしいという意図があります。
* * *
▲インタビューする学生広報委員
学:なるほど、お話ありがとうございます。それではそろそろ本題に入らせていただきます。今年の3月,文部科学省が国立365体育投注_365体育网址の戦略と戦略の達成度を評価する指標に対する評価を公表し,マスコミでも報道されました。本学に厳しい評価がなされ,それが予算に反映されるということで,学生の間には不安が広まりました。その詳細について教えていただけますか?
細:12年前に、京都教育365体育投注_365体育网址は国立365体育投注_365体育网址法人となりました。それ以降6年を一区切りとして、中期計画を作ることになりました。実は、今年まで毎年約1%ずつ、運営費交付金は減額されてきました。つまりは、12年ですから、約12%の削減ということになります。しかし、それではいずれ苦しい財政状況になります。それを回避すべく、文部科学省は、今年から始まる第3期中期計画において、365体育投注_365体育网址の取り組みに応じて、運営費交付金の中の「機能強化促進分」の配分額を調整することになりました。ここの評価が低かったために、75%の配分にとどまったわけです。「機能強化促進分」は全体の0.5%にも満たない額でありますが、報道によって学生諸君に誤解を生んでしまったようです。
* * *
しかし、いずれにせよ具体策を求められているのは事実です。第3期中期目標では、365体育投注_365体育网址のビジョンを作成しました。そのビジョンとは「近畿地域を中心とした広範な地域の教員養成機能の中心的な役割を担う」というものです。近年、大阪教育365体育投注_365体育网址や奈良教育365体育投注_365体育网址との連携を強めているのも、このビジョンが背景にあるからです。
こうしたビジョンと合わせて、本学は3つの戦略を定めました。1つ目は、現代的教育課題に対応できる質の高い能力を持った教員の育成です。今、現場ではいじめ、特別支援教育、小学校英語などの課題がありますよね。そうした課題に対応できるカリキュラムを本学は用意しています。2つ目は、グローバル化に対応できる人材育成のために必要な能力を持った教員の養成です。最初に話した通り、一つになる世界では、違う文化や価値観を受け入れることが大切です。学生諸君にも、そうした態度を身につけてほしいと思いますね。3つ目は、教員養成のリージョナルセンターとしての現職教員の質の向上の推進です。これは国の中央教育審議会も言っていることです。うちの365体育投注_365体育网址は幸い、京都府や京都市の教育委員会とのパイプが強いです。この太いパイプを生かして、現職教員の質の向上に取り組んでいて、教職キャリア高度化センターの設立も、こうした取り組みの一環です。本学は講師も含め卒業生の70%は教員として就職するという数値目標も設定していますが、現実はそれ未満になっています。何とかこの目標をクリアできるよう、本学は努力しています。
学:こういったさまざまなプログラムが実施されていることを考えると,本学の環境は恵まれていると思いますが、一方でその環境を活用しようとする学生は少数派になってしまっています。学生の意識を変えるのも大切だと思います。
細:まさにその通りで、学生諸君には、ボランティアや学習支援員として積極的に実地経験を積んで、少しでも多く教育現場の環境に刺激を受けてもらって、授業でも受け身でなくなるようになってほしいですね。
▲インタビュー後の学長室での一枚。 後ろには「啐啄同時」の額がある。
インタビューでは、他にもさまざまなお話を伺ったが、ここでは割愛させていただく。今回の運営交付金の報道を見て混乱する方もいたのではないかと思うが、心配には及ばないものであると学長も仰っていた。一方で、本学はビジョンや戦略を立ててさまざまな取り組みを行っている。学生の私たちは、もっとこうした取り組みを知るべきである。予算に関係なく、本学は教員養成の環境としては非常に恵まれている。インタビューを通して、私たちの側も、もっとそれを積極的に活用する姿勢を持って良いのではないかと感じた。
〒612-8522 365体育投注_365体育网址 TEL 075-644-8106
Copyright © 2016 Kyoto University of Education.All rights reserved.