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憧れの法被(はっぴ)(附属幼稚園)
附属幼稚園副園長 村田 眞里子
附属幼稚園では、子どもと、子どもの生活を中心にした行事という考え方から、運動会を"子ども運動会"と名付けています。毎年、残暑から秋の気配がする頃に、 "○月○日の子ども運動会"が始まります。リレーや綱引き、玉入れなどを楽しむかたわら、「ソーラン、ソーランっていつするの?」「着物みたいなん、着るねんなあ」「どっこいしょー、どっこいしょー、やったなあ」と、5歳児はなんとなくそわそわしています。昨年の5歳児が紫の法被を着て踊った"よさこいソーラン"の雄姿を何度も見ているので、イメージは十分です。自分たちが今年はあれをやるんだ!とやる気満々です。
"よさこいソーラン"は11年前の教育実習で、5歳児クラスに配属された実習生が、保育実習で踊ってみせたことから始まりました。その実習生は高校時代の体育祭で踊った経験を実習で活かそうと考えたようで、子どもたちはその滑らかで力強い動きに魅了され、5歳児みんなが踊りました。その当時の5歳児担任が、子どもたちの夢中になっていく姿を見て、ぜひ揃いの法被を作って踊らせてはと提案し、ムラサキツユクサの園章を染め抜いた紫法被ができました。その後、毎年"子ども運動会"で"よさこいソーラン"を踊ることを伝統としていますが、子どもたちには法被をそう簡単には着られないものとしています。何度も踊り込んで動きが自分のものになり、自信をもって踊れるようになった頃、ようやく法被着用!となります。"子ども運動会"後も、ここ一番!の折には法被を着て"よさこいソーラン"を踊り、そのたびに3、4歳児は憧れの目で見ています。踊り方は教えてもらって何となく踊れるようになっても、法被だけは3月のお別れ会で5歳児から「頑張ってね、次は君たちに任せたよ!」といった思いと共に受け継ぐことになっています。すぐにはかなわない憧れや夢をもつことや、先輩から物を通して思いを受け継ぐことが、子どもたちの成長には大切なことであり、本園の特色ある行事としています。
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