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ICTを算数?数学の授業で有効活用できる教員を目指して~数学領域専攻のみなさん~
▲動画コンテンツの制作に取り組む数学領域専攻の学生たちと、アドバイスをする黒田先生
「今回は、二次関数のグラフのかきかたについて学習していきましょう。」アナウンサーのような発音でマイクに語り掛ける数学領域専攻の学生たち。学生たちがパワーポイントで制作した算数?数学動画コンテンツに、解説の音声を録音している場面である。
「ベッドに寝ながらスマホで3分学習」という制作コンセプトのもと、学生たちは算数?数学の単元を自ら設定し、学習者に効果的と思われる動画コンテンツの制作に取り組んでいる。この取組は数学科の黒田恭史教授の2回生対象の「中等数学科教育Ⅰ」と、3回生対象の「中等数学科教育Ⅱ」という授業の一環として行われている。学習指導要領におけるプログラミング教育の実施や、GIGAスクール構想における小?中学生への一人一台のタブレット配布などに対応できるため、パワーポイントを用いた音声解説入りの算数?数学の動画コンテンツの制作を行っているのである。いったん完成した動画コンテンツは、教育内容に間違いがないか、難易度や提示順序は適切であるかなど、黒田先生や院生スタッフが一つずつ細かくチェックをして完成に近づけていく。何度も、修正が入った際などは、学生もかなり落ち込んだりするが、黒田先生は「そうした修正を繰り返す活動こそが、教員としての力量アップにつながり、実際に教員になった際に必ず役立つ。」と話す。
学生が制作した動画コンテンツは、京都教育365体育投注_365体育网址公式YouTubeサイトにアップロードし、広く公開している。学生も自分の制作した動画コンテンツが公開されるということで、俄然、取り組みに対するやる気も高まってくるようである。
▲京都教育365体育投注_365体育网址公式YouTubeサイトで公開している動画の一コマ
黒田先生は、これらの動画コンテンツは、不登校の子どもたち、院内学級の子どもたち、そして今回のコロナ禍によって自宅学習を行っている数多くの子どもたちの学習支援に役立っていると考えている。さらに、制作した動画コンテンツは留学生によって多言語に翻訳され、公開されている。これは、急増する日本語指導を必要とする外国人の子どもの学習支援にもつながっている。「ベッドに寝ながらスマホで3分学習」という制作コンセプトは、こうした多様な子どもたちへの学習支援を想定したものなのである。
▲留学生によって韓国語に翻訳された動画の一コマ 他にも中国語?ポルトガル語?ベトナム語?シンハラ語などに翻訳した動画を公開している
コロナ禍が続く中、今後も多様な学習形態を模索していかなくてはならないが、本取組はその有効な手段の一つと言えるものであり、各種テレビ、新聞等で紹介されている。
黒田先生は、教育実習に行く前の取組であることにも意義を感じている。「正しい日本語を使って子どもたちにわかりやすく授業することができるかどうかは、学習指導案づくりをしただけではわかりません。動画コンテンツを制作する活動は、指導の要点を明確にすることや、正確な発音や話すスピードなどにも気をつけなくてはならないことを学生に気づかせるのに、とても役立っているのです。」と黒田先生は話す。
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