權　眞煥（グォン ジンファン）准教授
家政科

１．先生のご専門を教えて下さい。

　私の専門は「生活工学」です。「生活工学」とは人間生活と密接にかかわっている様々な現象を科学的に解明し、人間生活に有用なテクノロジーをデザインする分野を言います。関連学問としては情報学、人工知能、システム工学、コミュニケーション科学および工学、脳科学、心理学、教育工学などが挙げられます。私は学士課程の時代にシステム工学と人間工学を、修士課程の時代には情報学を、博士課程以降はコミュニケーション科学および工学、脳科学、人工知能、心理学、教育工学を研究していました。現在もその専門知識を活かして、様々な教育研究活動を進めています。最近は人の五感の仕組みから言語?非言語コミュニケーションの特徴まで幅広く解明し、人間生活に役立つシステムを開発しています。また、ICT教育にも力を入れており、情報機器の操作やデジタル教材の制作に取り組んでいます。

２．学生には日頃どのような指導をされていますか。

　人の生活と密接に関わっている「人工物」の仕組みや役割について考えるよう指導しています。人工物とは人の手が加わったもの、人間の意識がつくり出したものを意味し、私たちは普段様々な人工物と生活しています。その人工物は衣食住に関連する服、靴、料理、家屋だけでなく、電化製品や芸術作品、法律、医薬品、ゲーム、スポーツ、エンターテインメント、アトラクションなど様々なモノが存在しています。このような人工物は私たちの生活をもっと便利に、快適に、安全に、健康に、愉快にしてくれています。学生達には生活の中で人工物を見つけ、その役割と共存の仕方について考えるよう指導しています。

３．先生のお考えになる「京都教育365体育投注_365体育网址の魅力」とは何でしょうか。

　京都教育365体育投注_365体育网址には文系?理系?芸術?スポーツなど様々な分野の専門家がいるので、他の365体育投注_365体育网址に比べて多様な知識が得られると思います。実際指導してきた学生たちから理系の知識や情報機器の操作が苦手だったが克服できたなどの体験談を聞くことが多々あります。また、教員免許に関しては複数の免許が取れるので、将来の選択肢が広がることも魅力です。

４．ご自身のお考えを表す言葉を色紙にお書きいただきましたが、その言葉の意味を教えてください。

　「自然?人?人工物の共生」は文字通り、自然と人と人工物の共生の在り方について考える必要があるということです。自然は私たちの生命維持のために必要不可欠なモノですが、人工物も人間生活のために欠かせない存在となっています。人工物は目に見えないほど小さいモノからスカイツリーのように巨大なモノまであります。また有名なお寺やお城、絵画、クラシック音楽など人が大切にしている人工物がある一方、使い捨てのように一回の使用で捨ててしまう人工物もあります。なお、近い将来人間より高い知能と認知能力、身体能力を持つ人工物も登場するでしょう。様々な人工物が生まれていく中、自然と人と人工物はどう共生していくべきかその在り方について考えることは私たちにとって重要な使命となっています。

５．京都教育365体育投注_365体育网址で学ぶことを希望する学生にメッセージをお願いします。

　京都教育365体育投注_365体育网址の学生を見て思うのは成長が早いことです。１回生が卒業生になるまで積んだ知識と技能、経験は計り知れないと思います。本学卒業生はこの成長を基に日本全国で優秀な教員として活躍しています。社会で求められる教員?人材として成長したい方はぜひ京都教育365体育投注_365体育网址に入学してください。

?ゼミ訪問?

学生に聞きました

〇權先生はどんな先生ですか？

　權先生はいつでも学生に対して親身に気さくに接してくださいます。ゼミを始める前にはいつも近況や悩みなどを聞いてくださり、私たちを気遣ってくださっています。とても親身になって話を聞いてくださるため、いつも話しすぎてしまいます。ゼミで研究を進めていく中で、分からないことや困ったことがあれば、的確に分かりやすくアドバイスしてくださいます。

〇ゼミの様子を教えて下さい。

　ゼミでは、研究のための参考になる論文を各自で探し、要約してきたものを発表しています。様々な論文を読むことで、研究を円滑に進めることができるようになったと思います。最近では、卒業論文の進捗状況の確認や修正を行なっています。論文を書くにあたって、基本的な書き方や注意点などを丁寧に指導してくださるので、とても勉強になります。