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コロナ禍における音楽教育④?コロナ禍のアウトリーチ?
Q:?どれみふぁそったくん?は学生プロジェクトによるアウトリーチ活動とのことですが、具体的にはどのような活動をしているのでしょうか。
田邉先生:生の演奏に触れる機会の少ない子ども達にむけて、出張演奏会や小学校の授業内での演奏を行っています。現場のニーズに応じた企画を学生自らが考え、実施しており、平成27年から始まりました。e-Projectの研究発表会では平成27年に審査員特別賞、平成30年に優秀賞を受賞しています。この活動の立ち上げの時から助言教員として関わっていて、一緒に内容を考えたり、練習に立ち会ったりしています。これまでは京都市の小学校で、授業の中で楽器を実際に演奏しながら紹介したり、学校の音楽鑑賞会、児童館のクリスマス会や365体育投注_365体育网址など出張演奏会を数々行ってきました。ただの鑑賞の会にならないように、楽器の仕組みや音楽の歴史を伝えるなど、構成も工夫しています。Q:昨年度は出張演奏などの活動はできたのでしょうか。
田邉先生:まったくできませんでした。色々なプログラムをメンバーで練習したり、今後の企画などを考えてはいたのですが、アウトリーチは何よりも現場で交流することに大きな意義があります。その現場にいけないと実感も湧かないので、メンバーもモチベーションを保つのが難しかったのではないかと思います。Q:7月中旬に、久しぶりに活動があったそうですね。どのような反応がありましたか。
田邉先生:卒業生が勤務している支援学校で、中学2年生に1時間の音楽鑑賞会プログラムを実施することができました。歌唱は難しいので器楽をメインに構成することになりました。楽器紹介(フルート、クラリネット、ヴァイオリン、トロンボーン、ファゴット、ドラム、ピアノ)ではメンバーが内容を考えたクイズを取り入れたり、事前にリクエストをいただいた楽曲も演奏しました。とくに生徒が耳を傾けていたのは、トーンチャイムで《サウンド?オブ?ミュージック》と《エーデルワイス》を演奏した時でした。トーンチャイムの澄んだ音色や響きが生徒の心と耳をぐっと惹きつけたみたいです。▲支援学校で行われた音楽鑑賞会で演奏をする?どれみふぁそったくん?の学生達
Q:参加した学生からはどのような反応がありましたか。
田邉先生:実施を終えて、1回生は達成感、上回生はやっとできたという充実感があったようです。学生は次へ向けて、色々な改善案を積極的に出していました。とくに、マスクをつけたままだと表情が伝わりにくいということを実感したようで、身振りなどの工夫も必要なのではという意見も出ていました。同じ空間で反応を感じられたことは大きな成果でした。生徒の様々な反応を受け止めこちらの働きかけをどのように変えていくかということは、教員になっても活きる力になるのではないかと思います。?どれみふぁそったくん?は、楽器を演奏できるという学生自身の能力と学校現場での音楽の学びを関連させ、その反応を肌で感じられる貴重な活動です。出張は無料なので、実際に楽器の音を聞かせたいという訪問先にもメリットがありますし、この体験が学生の力になっていると感じます。今後も学生たちが持っている力を活かせるような機会が増えていくように願っています。Q:昨年度からの取り組みを振り返り、今後の展望などがあればお聞かせください。
田邉先生:現在は学びの環境にもさまざまな制限がありますが、マイナスに考えないようにしたいと常に思っています。限られた中で模索する楽しさや、新しいことに挑戦することでこれまでにない表現やアイデアが出てくるということも、昨年度からの実践の中で実感できました。学生と相談しながら進めるということでアクティブ?ラーニングにもなり、学生からのアイデアを知ることで自分の認識も広がったことは大きな成果だと思います。これからも難しい状況が続きますが、今回の経験で得た成果については、状況が変わっても継続していきたいと考えています。
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