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人生の根っこを育む(幼児教育専攻卒業生)
幼児教育専攻 2014年度卒業
こども園 教諭誰もがみな、子ども時代を経験して大人になります。けれど、子どもたちを見ているとふとした時に感じるのです。大人はいつから本音でけんかをしなくなり、虫が苦手になり、どろんこになって遊ぶことをやめてしまい、ひとりで大きくなったような気になってしまったのか、と。
子どもと関わる仕事を志す方に覚えていてほしいことは、子ども心を忘れないこと、子どもの気持ちになって考えること、です。私の勤める園は、四季の自然下での野外保育を中心としています。夏は川でびしょぬれになって遊び、冬は雪まみれになってそりすべり、山でどろんこになりながら探険をし、畑で作物を育て、豊かな自然を全身で味わっています。それは、もちろん私たち保育者も同じ。子どもたちと一緒にびしょぬれになって、どろんこになって、虫や魚を追いかけています。大人がそうやって本気で遊ぶからこそ、子どもたちにもその楽しさは伝染するのです。それに、自然の中で本気で遊ぶことは本当に楽しくて、気持ち良くて、心が一気に潤っていくのを感じます。そうやって子ども目線で、全力で表現して楽しむことが子どもたちの笑顔を引き出すということは、学生時代に恩師の姿から学んだことです。
幼児期だからこそ、机上の学習ではなく、色々なものを自分で見て、触れて、感じて、豊かな人生の根っこを張っておくことが大事です。太陽の光や風や水が気持ちいいと思える心、空や草花が美しいと思える心、これは何だ?と不思議に思える心。一見何もないように見える自然の姿から豊かな感情を見出せたとき、人生はとても豊かになります。私はこれからも、子どもたちが大地にしっかりと根っこを張れるよう、自然とともに見守っていきたいと思います。
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