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新副学長が就任されました!② ~教務?学生指導担当副学長 相澤 伸幸先生~
先生の専門は?
学術的専門は何ですか?
「教育哲学や道徳教育学」です。
学生時代に専攻くらいは好きなものを選ぼうと思い、教育哲学、教育行政学、教育社会学、教育心理学、障害教育学のなかから教育哲学を選びました。365体育投注_365体育网址や365体育投注_365体育网址院で学んだ内容は、教育学というよりもかなり哲学の色彩が強いもので、古代ギリシアから近現代欧米の哲学書の原典を繙き、解釈し、理解することを求められました。もちろん日本の文献も学ぶのですが、ある仏典などは日本語(古文)とは思えないほど難しく、たった2行を(もちろん日本語ですから読めるのですが)自分なりに解釈するのに図書館で何冊も関連書籍を読んだことを覚えています。手元にあればいつでも参考にできると思うようになり、その頃から古本の収集などにも取り組みました。
35年以上前になりますが、当時は、3回生から博士課程の院生までが同じ演習を受講しており、学部生だからといって黙って聞いていることは許されず、先輩たちから鋭く問い続けられるので、とにかく緊張感があり、ひたすら予習していました。1つの演習のために1週間かけて予習するのですが、それでも先輩たちには及びませんでした。しかし学ぶうちにもっと知りたいと思いはじめ、それがいまに活かされています。
そして自分の専門の研究テーマは、近代ヨーロッパの教育哲学的人間形成論ということになります。教育を人間形成という大きな視点から捉え、その観念の成立を精神の系譜学として整理しているのですが、これだけではわかりにくいですよね。ゲーテからニーチェに至るまでのBildung(ビルドゥング、つまり人間形成のこと)の概念を手がかりにしながら、近代ヨーロッパの教育思想を分析し整理していると言った方がわかりやすいかもしれません。
もうひとつの専門である道徳教育学は、従来の体系を踏襲しつつも、今後の道徳教育には社会心理学や生理学の成果も必要なので積極的に取り入れたいと思っています。しかしそのような考え方では、学ぶことが多すぎて、まとめにくいのが正直なところです。昨年、道徳教育の全国学会での発表を聞いていたところ、その発表者が考える新しい道徳教育のテーマの先行研究として私の書いたものが紹介されていたので、受け入れられつつある予兆を感じました。
魅力やおもしろいところはどんなところですか?
教育哲学や道徳教育のおもしろさは、マクロな視点とミクロな視点をあわせ持っているところではないでしょうか。人間の考えることにはあまり変わらないことも多い(と私は思っている)ので、2500年前の古代ギリシアから現代まで、考えたことを思潮としてマクロな視点で捉える必要があります。その軌跡が哲学や思想にあたります。その一方で、わたしたちはみな、その時代の家庭や学校や社会で教育や道徳に接し、いまここで経験しているので、これはミクロな視点だと思っています。その両面性を理解していないと、バランスが悪くなり理論と実践が乖離するので、どちらの視点からも考えていくことが魅力なのですが、難しいことでもあります。
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