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コロナ禍における音楽教育③?オペラ演習での新しい取り組み?
Q:従来のオペラは登場人物が近い距離で歌ったり演技をしたりしますが、現在の状況は一般的なオペラの演出にも変化をもたらしているのでしょうか。
田邉先生:コロナ禍当初は、距離をとったり身体接触をしない、フェイスガードをつけたまま公演するなどの光景が見られました。オペラによくある二重唱等は、向かい合わないよう身体の向きなどを工夫していました。最近は透明マスクを着用したり、キャスト、スタッフ全員がPCR検査をして公演を行う等の取り組みもあり、舞台上の歌手の距離は少し縮まってきたようです。Q:オペラ演習は、総合的な舞台作りの授業として、キャストのほかにミニ?オーケストラ、指揮、演出、舞台スタッフ(衣装、照明、舞台装置、小道具、広報)も学生自身が担当する人気の授業です。このような状況の中で、どのような公演を企画されたのでしょうか。
田邉先生:この授業では学校での音楽会や舞台公演を担える人材を育てたいと思っています。ただこの状況ですので、オペラやミュージカルは避け、小学校の国語の教科書に掲載されている「こわれた1000の楽器」(原作:のろさかん)を朗読と音楽で進めることを提案しました。しかし毎年この授業を受講し、楽しみにしていた上回生から「歌唱は入れたい」「演奏時間をもう少し長くしたい」という要望がありました。この状況下でどこまで認めることができるか私も悩みましたが、話し合いの結果、「歌はソロのみ」「芝居はできる限りシンプルに」「セリフは前を向いて、間隔を常にあけること」等確認し、その中でできることを学生と一緒に考えながら進めていきました。例年以上に、実現に向けて対話を重ねたことによって、学生の主体性を導きだせたと思います。合唱と同様、発表の時期に対面授業ができなくなり、全員で集まれなかったので、少人数で分けて収録をし、映像を作成しました。当初は定点で撮っての配信を考えたり、無観客での公演などを考えていたのですが、最終的に映像ならではの編集や表現を加えることができました。Q:従来とは異なる方法で実施してみて、いかがでしたか。
田邉先生:一番の成果は、全員でしっかりと話し合い、それぞれが主体的に作り上げることができたことです。通常の公演では、舞台上には舞台装置や小道具があったり、キャストは移動したりもしますが、今回は制限があったため、編集の段階で映像ならではの表現を工夫できたことも新鮮でした。動画編集はある種の演出的な作業なので、面白かったですね。今回は私が編集しましたが、今後このような機会がある場合には、学生にも経験してもらえるといいかなと思います。?次は④?コロナ禍のアウトリーチ?へ続きます。
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